
入社直後から触り続けたオフィスネットワークのお話
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2023年2月13日
はじめまして、ココネでインフラ担当をしておりますOと申します。
本日は入社しばらくから関わっていたオフィスの「無線LANが繋がりにくい」を軽減させた話のうちの機材追加やアップグレードではないところのお話をできればと思います。
私自身ココネに入社前はデータセンター等でSwitchのセッティングや簡単な設計はしていましたがサーバーがメインだった事もあり、ネットワークは隣にあるからやっていた程度の知識でした。
通信状態と機器の接続情報収集
話を聞く中で多少のアタリはついていたものの、やはり常時監視してくれるツールとそこから出てくる情報は大事で、対策の前後の状況も見て取れるようになるのでやっておいたほうが良いでしょう。
ツールは使い慣れたものでいいと思います。今回は廃棄予定のデスクトップPCでzabbixサーバーを構築・設置しました。
無線LANの原因は有線LANに
無線LANのアクセスポイントもコントローラーも当然有線LANでつながっているので、無線LANの不調の原因が有線LANに・・・は往々にしてあったりします。
そこでzabbixで取れたデータも参考にしながら次のように対策していきました。
①コアスイッチをスタック
コアスイッチが1台でオフィス全体の通信に関わる構成になっており許容量を超えるような場面が1日に何度も見られましたが、ありがたいことに予備機材がありました。
そこでスタックさせて、コアスイッチにつながる各機材の接続方法をLink Aggregationに変更した結果、冗長化&負荷分散ができました。
この件は運が良かったのかと思っていますが、オフィスのネットワークに問題がある担当の方は予備機材と対象機材がスタック対応機器かどうかを確認してみるのもいいかもしれません。
②Link Aggregationの分散方式
分散アルゴリズムはCiscoスイッチでいうところの「src-dst-ip」が良さそうです。デフォルトではこの接続方法になっていないことが多いようですので意図的にこの設定をしていない場合を除いて検討の価値はありそうです。
③インターネット出口分散化&ルーティング
ルーターの処理許容量がオーバーしていた事と、またまたラッキーな事に同型のルーターが複数台余っていたので、出口を1つ増やしMeetの接続をそちらに向けました。
ここ何年か増えているのではないかと思っていますが、プロバイダがNUROで契約プランが「NUROアクセス」の方で固定IP側しか使ってない場合使える方法になります。
「NUROアクセス」は終端装置まで2Gの線が来ており、固定IPと動的IPが1つずつ割り当てられます。ですので両方にルーターを接続し出口を2つ準備、あとはオフィス用とゲスト用や、固定IPを必要としない場所への接続を振り分けるなどの利用ができます。
④ファイバーケーブルの接続方法変更
SFP規格のポートを持つスイッチのスペックシートでレイテンシを比べると、LANとSFPではSFPの方が早いことが多々あります。単位はμs(マイクロ秒)ですが、SFP接続の方が倍以上レイテンシが良い場合もあるようです。
あまりないかもしれませんが、
ファイバーケーブル→メディコン→LANケーブル→スイッチ
の形で接続されておりSFPポートが空いている場合は接続方法の変更を検討しても良いかもしれません。
それでも無線LANの設定を検討
はじめた頃は有線LAN側のボトルネックを解消すれば殆ど解消するだろうと思っていたのですが、数は減ったものの無線LANの不調は完全には解消しなかった為、次のように対策をしていきました。
①無線LANコントローラーとアクセスポイント間の設定を
トンネルモードからブリッジモードへ
どうやら最初に設定していただいたベンダーの推奨でトンネルモードになっていたのですが、LAGでケーブルを4本まで増やしたもののコントローラー、コアスイッチ共に限界のようだったのでブリッジモードへ変更。
その後ブリッジモードの時に発生するバグを踏む事になってしまいましたが、ボトルネックは解消しました。
現在はバグもベンダーのファームウェアアップデートで解消されています。
②利用チャンネルの変更
最近はW52を利用した無線LANではない機器もあるようで電波干渉が社内で起こっていたため、運用チャンネルをW52の4チャンネルからW52+W53+W56の20チャンネル運用に変更。
そこのDFSによるチャンネル変更をしばらく観察していましたが、1週間に数える程しかなかったのでチャネルボンディングも設定しました。
③チャネルボンディングを設定
経緯は②で書いてしまいましたが、40MHzチャネルボンディングで10チャンネル運用に変更。渋滞緩和を狙って通信速度を上げてみました。
80MHz以上のボンディングはチャンネル数が減る事と、オフィス内にアクセスポイントが30機以上ある現在ではDFSの影響を受けるパターンが増える為、採用する予定はありません。
アクセスポイントが2、3機と少ない場合は検討の価値がありそうです。
まとめ
実際には途中で一部発注した機材が入ってきたり、某B社の格安アクセスポイントをとりあえず入れてみたりもしてみましたが、直近1年で納期未定の機材に左右されることなく行った緩和策は以上です。
また私の場合、予備機材や利用回線に助けられた対応もありましたが、設定やケーブル追加で解決できるところも多くあるかと思います。
ネットワーク専門の方からすれば当たり前の内容かとも思いますが、そこまで専門ではないものの困っている方のヒントとなりましたら幸いです。
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