Cocone Engineering 1周年インタビュー:信頼性と持続可能性を支えるインフラ
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2025年11月20日
サービスの未来を支える、確固たるインフラ設計と運用
多くのユーザーに利用されるサービスの安定性は、目に見えないインフラの上に成り立っています。
新しい技術が次々と登場する今、どのような思想や方向性でインフラを設計・運用するかが、サービスの未来に大きな影響を与えます。
今回は、Cocone Engineering(以下、CE)でインフラ領域をリードするユン・ソンウォンさんに、現在の挑戦、大切にしている考え方、そして今後のビジョンについて伺いました。

尹姓元(ユン・ソンウォン): CEのInfrastructure Divisionの技術リーダー
「シンプルで予測しやすいシステム」をつくることを意識しています。
複雑な仕組みよりも、誰が見ても理解しやすく、動きを予測できるシステムであれば、問題が起きたときもすぐに原因を特定し、対処できます。こうしたシンプルさこそが、長く安定して動くサービスの土台になります。
そのために、特に意識しているポイントが主に3つあります。
第一に、自動化です。
人の手による作業はどうしてもミスが起きやすいため、繰り返し行う作業やデプロイなどはすべてコードベースで自動化し、一貫して管理しています。
第二に、可観測性(Observability)です。
システムは最初からログやメトリクス、トレース情報を記録できるように設計する必要があります。これがないと、トラブルが発生したときに原因を適切に追跡するのが難しくなります。
第三に、セキュリティと費用対効果です。
セキュリティは後付けではなく、設計の段階から自然に組み込むことを重視しています。また、費用面も開発から運用までを通して効率的に管理しています。
こうした基本的な考え方を守ることが、最終的に「安心して信頼できるインフラ構築」につながると考えています。
一番大きな取り組みは、コンテナベースのインフラを本格的に導入し、運用を開始したことです。
これにより、アプリケーションをより速く、安定してデプロイできる環境を整えたと同時に、IaC(Infrastructure as Code)を導入し、インフラ管理体制を自動化しました。
また、既存のレガシー環境のモダナイゼーション作業にも注力しました。特に、サービスの安定性に大きく関わるデータベースの技術的負債を一部解消し、パフォーマンス改善と障害リスクの低減を実現しました。
さらに、開発効率を高めるためにAIツールを導入しつつ、それに伴う潜在的なリスクを管理するためのセキュリティとガバナンス体制も強化しています。
新しい技術のメリットを最大限活かしながら、サービスの安定性とのバランスを保つことを常に意識しています。
IaC(Infrastructure as Code): 手動プロセスや設定の代わりに、コードを用いてコンピューティングインフラをプロビジョニングし、サポートする機能を指します。
私が考えるインフラの持続可能性とは、予期せぬ変化の中でも揺るぎない安定性と成長可能性を確保することだと考えています。
そのためには、定期的なアーキテクチャレビューと技術的負債の管理が欠かせません。古い技術スタックを無理なくモダナイズすることで、変化に対応する柔軟性を維持できます。
また、クラウドリソースの利用状況を常に分析・最適化することで、トラフィックの増減や事業の成長に合わせた合理的なコスト構造を保つようにしています。
最終的には、特定のデータセンターやクラウドリージョンで問題が発生してもサービスが途中断しない、高い回復力を持つグローバルインフラを築くことを目指しています。
「AIは、インフラ運用やセキュリティの在り方を根本的に変える」と考えています。
これまで人の経験や個別判断に頼っていた部分が、AIによって微細な異常をより早く、より精密に分析・対応できるようになるでしょう。
運用面では、障害を事前に予測して自動で修復するAIOps(Artificial Intelligence for IT Operations)の実現を進め、セキュリティ面では、インテリジェントな攻撃を自動で防御する自律型セキュリティ体制へと発展すると見ています。
私たちCE組織のビジョンもこれに合致しています。短期的には、運用とセキュリティの領域にAIベースの異常検知システムを導入して予測精度を高めることに集中し、長期的にはAIが問題検知だけでなく、解決まで対応するように自動化し、人の介入を最小限にすることが目標です。
これにより、エンジニアが反復的な障害対応や脅威分析業務から解放され、サービスの本来的な価値を高める、より創造的な仕事に没頭できる環境を創出したいと考えています。
AIOps(Artificial Intelligence for IT Operations): 自然言語処理や機械学習モデルなどの人工知能(AI)機能を適用し、ITサービス管理および運用ワークフローを自動化、簡素化、最適化することを指します。
インフラ部門の役割は、単にシステムを安定して運用するだけでなく、すべての開発者がイノベーションに集中できる技術プラットフォームを提供することだと考えています。
現在の目標は、デイリーアクティブユーザー(DAU)1億人規模を支えられるグローバルインフラを構築することです。
そのために、マルチリージョンによるアクティブ-アクティブ構成への拡張を進め、定期的にカオスエンジニアリングの訓練を通じて、システムの回復力を高める計画です。
セキュリティ面では、ゼロトラストアーキテクチャへ移行し、機密情報管理体制をより高度化します。さらに、Policy as Code(ポリシーのコード化)を導入し、最小権限の原則を保ちながら、開発スピードとセキュリティを同時に確保します。
また、チームや地域に限定されず、組織全体が共に成長する技術文化を広めていきたいです。各拠点の成功体験を透明に共有・拡散することで、CE全体の技術レベルを引き上げることが、今後の重要な挑戦課題です。
カオスエンジニアリング: システムに意図的に障害やエラーを注入することで、システムの安定性、回復力、弾力性を実験し、強化する手法を指します。
Policy as Code(ポリシーのコード化): セキュリティやコンプライアンスポリシーを、人間が理解するドキュメントや手動プロセスではなく、機械が読み取り可能なコードとして定義し、自動化して管理する手法を指します。
最後に
安定性と革新を同時に追求する技術プラットフォームの未来
今回のインタビューを通じて、CEのインフラチームは、「シンプルで強い基盤をつくる」という方向性で、IaCやAIOps、カオスエンジニアリングなどの最新技術を積極的に導入しながら未来に備えていることが分かりました。
単なる安定した運用を超え、開発者がより価値ある機能開発に集中できる技術プラットフォームを構築しようとするビジョンは、CEの持続可能な成長のための揺るぎない土台となります。