CEDEC2025に現地全力参加してきました! – Day.1 & Day.2
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2025年8月15日
こんにちは。UnityエンジニアとTechEvangelist(技術広報に近い役職)の業務を担当しているSNです。
今回は、お休みをいただいて3日間、CEDEC 2025 に現地参加してきました。
現地で受講したセッションについて感想をレポートしたいと思います。
最初は、パシフィコ横浜ノースで荷物検査を受けて入場です!

Day.1(7月22日)
GX社会におけるデジタルインフラ進化論 〜クラウド×生成AI時代に、開発者が知っておくべき“基盤”の話〜
登壇: さくらインターネット株式会社 田中邦裕
国内インターネットインフラの歴史から生成AI時代の基盤の未来まで幅広く学べる、有意義なセッションでした。
インフラを「コスト削減の道具」ではなく「新しい産業を生み出す装置」として捉えるというメッセージが印象的でした。
分野は異なるものの、自分もAIを業務で活用する際は削減ではなく拡張を意識し、基盤の位置づけを考えていきたいと感じました。
🍽️1日目お昼休憩
お昼は会場内に併設されてる「UNI COFFEE ROASTERY」で食べました。
会場内でも軽食の提供がありましたが入手できなかったので活用させていただきました。
一度移動するとちょっと離れた位置にある荷物検査を受ける入場口から入場が必要なので移動する際は気をつけましょう。

ゲームUIの「デザインとロジックの分離」 モンスターハンターワイルズにおける新しいUI実装
UI実装を疎結合にする「ParamSetter」のコンセプトが新鮮で、ロジックを書かずに手動調整しつつ実機に近い環境でモックを作るワークフローが参考になりました。
UnityでもScriptableObjectとインスペクター拡張を組み合わせれば類似のアプローチが可能で、デザイナーの試行回数を増やす土台作りに役立ちそうです。
エンジニア間だけでなくデザイナーとの連携においても疎結合を実現する視点の重要性を学べた、視野が広がるセッションでした。
LLMを活用したゲーム開発支援と、生成AIの利活用を進める組織的な取り組み
登壇: 株式会社Cygames(金井大 / 笠原達也 / 都築圭太)
社内独自LLMサービスの展開と、現場がプロンプトを修正して活用するスモールスタートの運用事例が紹介されました。
職種を問わず全社的にAI理解を深める研修や講義を実施し、活用の線引きや運用ルールを明確にした上で浸透させている点が印象的でした。
単にツールを導入するだけでなく、事前準備を丁寧に行う姿勢が非常に参考になる取り組みでした。
Day.2(7月23日)
この日は、実践的なセッションが多く、ゲーム開発現場でのリアルな課題と、それに対する多様なアプローチを垣間見ることができました。
具体的な施策事例を元にした企画の作り方やCDNサービスを評価比較してユーザー体験を向上できないか検討する方法、生成AIを活用した自動プレイシステムなど、現場の課題解決に直結するトピックが豊富で、学びの多い一日となりました。
それでは、当日受講したセッションをピックアップしてご紹介していきます。
ヘブンバーンズレッドにおける、世界観を活かしたミニゲーム企画の作り方
登壇: 株式会社WFS 菊岡大夢
物語体験との調和を意識しつつ遊びを設計する難しさと工夫が丁寧に語られたセッションでした。
ミニゲーム「ドゥエロ」では、世界観維持・短時間での楽しさ・全キャラ対応という3要件を軸にトップダウンで企画を組み立てる手法が印象的でした。
コンセプトから外れる案を潔くボツにする判断や、企画の言語化プロセスはプロダクト開発全般にも活かせる学びが多くありました。
全世界ユーザーのDL体験向上を目指して!マルチCDNの仕組みと統一的な評価手法
登壇: KLab株式会社 山口大祐 / 赤岡武
CDN(Content Delivery Network)事業者の選定を「速さ・安さ」ではなく、自社タイトルに合わせたチュートリアル突破率をKPIに設定して比較検証した事例が紹介されました。
A/BテストでユーザーごとにCDNを切り替えて費用対効果を評価する運用は、サービス運営側ならではの工夫として印象的でした。
ファイル数削減やTTL管理の重要性など、アセット配信や通信設計にも応用できる知見が多く得られたセッションでした。
🍽️2日目お昼休憩
今回は無事会場内で軽食を入手できたのでありがたく頂きました。
軽食は、会場内の交流ラウンジで食事をするスペースがあるのでそちらでとることができます。
余談ですがラウンジ内では様々な企業がブース展示をしていました。
毎年、大手は結構同じ企業が多いのですが今年は、いつもと違う大手会社も多く、回っていくのも結構楽しめました。

『モンスターハンターワイルズ』ゲーム開発の限界を超える!先端技術を駆使した自動プレイシステム
登壇: 株式会社カプコン 阿部 一樹 / 野村 直弘 / 石原 景太
QA効率化のためにゲーム外アプリとして開発・運用された高機能オートプレイツールの事例が紹介されました。
物体検出モデルやOCRセンサーなどを組み合わせた実運用寄りの構成で、高い開発規模と品質が印象的でした。
オートプレイに加えて情報収集やLLMによるレポート化まで行うアプローチは、ミニマムな形でも応用可能で参考になる内容でした。
📝総括(1日目・2日目)
CEDEC 2025の1日目と2日目を通して、多様なセッションと実践的な開発事例に触れることができました。
AI活用に関するセッションも多く、特にゲーム開発における具体的な応用例や組織的な取り組みや現場で活用されている具体的なツールや設計手法などの事例を学ぶことができ、今後のプロジェクトに活かせる大きな学びとなりました。
次回のレポートでは、2日目に行われたCEDECのイベントの紹介と最終日のセッションレポートをお届けします。
※参考リンク
CEDEC 2025公式ウェブサイト: https://cedec.cesa.or.jp/2025/
セッション資料アーカイブ: https://cedil.cesa.or.jp/
CEDEC AWARDS 2025配信: https://www.youtube.com/watch?v=EC1cHVTCKAk